インドの列車

インドの鉄道はしょっちゅう遅れる。しかし、人々も慣れたもので、それにいちいち目くじらを立てて怒る者などいない。みんな、のんびりとお菓子を食べたりしながら、おしゃべりを楽しみ、それぞれの時間を駅で過ごしている。
ところが、ある日、列車が時間通りに到着し、発車してしまった。乗り遅れた人々は、口を揃えて駅員に抗議した。
「いったいどうしてくれるんだ!いつも遅れるくせに!この責任をどうとるつもりだ!」

すると、駅員はすました顔をしてこう答えた。
「ご安心ください。今の列車は昨日の列車です。」