アプリケーション

 アプリケーションはアプリケーションソフトとも呼ばれ、ワープロソフトや表計算ソフトに代表されるように特定の仕事を行うためのソフトウェアのことを指します。アプリケーションは基本ソフト(オペレーティングシステム、OS)上で作動します。従って、基本ソフト自体はアプリケーションとは呼びません。
 多数のアプリケーションが流通していますが、販売を目的として開発されたものを市販ソフトと呼びます。また、シェアウェアやフリーウェアと呼ばれるものはプログラミング好きのアマチュアが作ったアプリケーションを安価でまたは無料で配布しているものです。通常、店頭では販売せず、インターネットからダウンロードして入手します。シェアウェアは1000円から2000円程度の代金を払うもので、フリーウェアは無料です。

 では、以下に日本語教育にとって有用な種類のアプリケーションについて簡単に説明します。


ワープロソフト
Mirosoft Wordや一太郎に代表される文書を作成編集するためのソフトです。最近は文字情報だけでなく、音声や画像なども簡単に組み込めるようになっています。描画機能も充実してきています。


表計算ソフト
Spreadsheetとも呼ばれ、縦横に並んだ升目に数値や文字情報を入れ、計算したり並べ替えたりして情報を処理します。代表的なものはMicrosoft Excelです。テストの点数の集計や学習者の成績の記録などに使うのが一般的な使い方でしょう。しかし、我々のように言語に関する情報を扱うものにとっては、表計算ソフトの文字情報の処理能力(文字を扱う関数)やフィルター機能を活用することができます。(例 語彙表)


プレゼンテーションソフト
スライドショーと呼ばれるプレゼンテーションを作成するためのアプリケーションです。Microsoft PowerPointが代表的なものです。プレゼンテーションはコンピュータの画面をプロジェクタを使って大写しにすることで、大勢の人が見られるようにします。学会でもこのようなソフトを使った発表が多くなってきています。また、日本語の授業の中での説明などにも有効でしょう。
 プレゼンテーションソフトには多くの機能があり、色をうまく使ったり、様々な視覚効果を使うことで効果的に情報を伝えることができます。しかし、やりすぎると逆効果にもなりますので、上手に使うことが肝心です。


描画ソフト・グラフィックスソフト
 描画ソフトは色とりどりの絵が簡単に描けることから子供達へコンピュータを導入するときにもよく利用されます。コンピュータ上で扱われている絵・画像はその保存の仕方からペイントとドローの二つに分けられます。ペイント(またはビットマップ)では、絵はピクセルと呼ばれる小さな点の集まりで構成されていて、その点一つ一つの色を変えることができます。ですから、細かい部分を直したりするのに適しています、しかし、変形したり拡大したりするのはあまり得意ではありません。WindowsにはアクセサリーでPaintというソフトが付属しています。また、デジカメの普及で写真を加工する機会も増えてきています。その代表的なソフトAdobe PhotoShopもペイントグラフィックスを処理するためのソフトです。
 もう一つの種類のドロー(またはベクター)と呼ばれるものは、絵を直線や曲線の角度と長さや丸や三角といった構成要素の集まりで作っていくものです。縮小拡大や変形が得意です。Adobe Illustratorなどが代表的なソフトです。その名のとおりイラストをコンピュータで作ったりするときによく使われています。描画ソフトはフリーウェアやシェアウェアもたくさん開発されていて、インターネットから安価で入手できます。


OCRソフト
OCRはOptical Character Recognitionの略称で、日本語では光学式文字認識と訳します。スキャナという絵をコンピュータに取り込む器機を使って、新聞記事のように文字が印刷されたページをスキャンして、コンピュータに取り込みます。この時点では取り込んだイメージは絵として認識されています。そこで、OCRソフトを使ってスキャンされたイメージを処理させます。OCRソフトはイメージに含まれている文字の大きさや配列を検知し、それぞれの文字の形を認識し、イメージを文字情報に変換していきます。その結果、印刷されている文字をタイプすることなしに電子化することが可能になります。OCRは始め文字数が少ないヨーロッパ言語で発展しましたが、現在は文字数が多い日本語や中国語でも文字認識が可能になりました。雑誌や新聞記事を使って読解教材を作るときなどに活用できます。


ゲームソフト
 ゲームをするためのプログラムです。パソコン用のものだけでなく、いわゆるゲーム機用に開発されたものもゲームソフトと呼びます。


データベースソフト
データベースは現在のコンピュータの利用方法を代表するものと言えます。ありとあらゆる情報がデータベース化され、それを管理しているのがデータベースソフトです。代表的なソフトとしてはMicrosoft Accessやアップル社のFile Maker Proなどがあります。


統合ソフト
複数のアプリケーションソフトを集めて一つのパッケージとしたもの。マイクロソフト社のOfficeやアップル社のApple Worksは統合ソフトの代表的なものと言えます。OfficeはWord(ワープロソフト)、Excel(表計算ソフト)、Power Point(プレゼンテーションソフト)が統合されていて、データや文書をソフト間でやりとりすることがある程度可能です。Apple Worksにはプレゼンテーションソフトの代わりに描画ソフトが含まれています。こちらもソフト間でのデータの互換性が高く便利です。