コンピュータ本体関連用語

よく使われる言葉:CPUスピード、CD-ROM、DVD、大容量記憶媒体(Storage device)、ポート(Ports)、RAM、ZIP、MO、ラップトップ(Laptop)、ノートパソコン(Notebook)、デスクトップ(Desktop)、キャッシュ(cache)

CPU

 CPU(Central Processing Unit)はコンピュータの中枢の一部です。そのスピードは500 MHz(メガヘルツ)とか1 GHz(ギガヘルツ)といった単位で表されるクロック周波数でその処理スピードが表示されます。基本的にはこの数字が大きいほど「速い」と言えます。しかし、ワープロやWWW閲覧などが主な使用目的の場合は現在のCPUはどれでも十分速いと言えます。(つまり、我々の仕事にとってはあまり関係ないということです。)

周辺機器用の接続ポート

 コンピュータ本体にはキーボードやマウスを始め色々な周辺機器を接続するためのポートがついています。以下に代表的なものを挙げます。

モニターポート ディスプレイ(モニター)を接続するためのポートです。デスクトップ型のコンピュータには必ずついています。ラップトップ型でも外部のモニターに接続できるようにするために大抵ついています。また、研究発表や授業で大型のプロジェクタを使うときにもこのポートに接続します。

USBポート 多くの周辺機器が接続される便利なポートです。キーボード、マウス、スキャナ、プリンタ、デジカメ、ハードディスク、フロッピードライブ、MOなど様々です。パソコン本体にはUSBポートは一つないし二つしかありませんが、分配機を使えばより多くの機器を接続することができます。USBを表すマークは枝分かれしたサボテンのようなマークですが、これは分配できることを示しているのでしょう。USBポートの形状には何種類かあるので、接続する機器に使われているポートの形状を確かめて、正しいケーブルを使う必要があります。USB2というより高速の規格も使われています。

USBポート  パソコン側のコネクタ 機器側のコネクタ

デジカメ本体のUSBポート このデジカメ用のUSBケーブル

Firewireポート(IEEE1394用ポート)Firewire(ファイヤーワイヤー)はアップル社が開発した高速のデータ通信の方法でパソコンとハードディスクを接続するのに使われています。Firewireは商標名なので、Windowsでは正式な規格名のIEEE1394という名前で呼ばれることもあります。 デジタルビデオカメラについているDVという端子も基本的にはIEEE1394と同じ規格です。

Firewireポート FirewireコネクタデジタルビデオカメラのDVポート

ネットワークポート いわゆるネットワーク用のLANケーブルを接続するためのポートです。電話のモジュラジャックを少し横に広くしたような形です。学内や会社内のネットワークは大抵このポートを通して行われます。また、最近よく使われているADSLもこのポートを使います。(下の写真の右側) 英語ではEthernet port (イーサネットポート)という言い方が一般的です。

電話のモジュラジャック用ポート 電話線を接続して、インターネット接続をするためのポートです。モデムポートとも呼ばれます。モデムは元々はパソコンとは別の器機でしたが、このごろはコンピュータ本体の中に組み込まれていることが多いので、電話線を直接接続できるようになりました。 (下の写真の左側)

電話線用ポートとネットワークポート

電話のモジュラジャック LANケーブルのコネクタ

ヘッドフォン用ジャックとマイクロフォン用ジャック ヘッドフォンやマイクを接続するジャックです。マイクはUSBポートで接続することもあります。 外付けのスピーカもヘッドフォンジャックにつなげます。

S-VIDEOポート このポートはコンピュータ画像をテレビの画面に映し出すときに使います。どのパソコンにもついているわけではありません。

シリアルポート プリンタ、マウス、モデムなどをこのポートを使って、接続します。最近はUSBに代わってきています。

パラレルポート プリンタを接続するのによく使われます。最近はUSBに代わってきています。

PS/2ポート マウスやキーボードを接続するのによく使われました。最近はUSBに代わってきています。

PCカードスロット PCMCIカード(PCカードとも呼ぶ)用のスロットです。PCカードは色々な種類があります。

RAM

 RAMはRandom Access Memoryの略で、ラムと読みます。一般的にメモリーと言う場合はRAMのことを指すのですが、デジカメの画像を保存する媒体をメモリーと読んだりするようになり、メモリーの意味が多様化しています。ここではRAMとハードディスクを「作業場」と「倉庫」にたとえて説明します。RAMに関して正しく理解してみましょう。

 ここでいう作業場とは何の仕切もない一定の大きさを持った部家と考えてください。電気が入っていないときは真っ暗で何も出来ません。(コンピュータの)電源を入れるとこの部家の電気がつきますが、このままでは何もないただの大きな部家なので、まず必要な物を持ってこなければなりません。そこで、まず始めにコンピュータは倉庫(ハードディスク)から基本ソフト(WindowsやMac OS)のコピーを取ってきます。(倉庫にある基本ソフトのオリジナルはそのまま残っています。ここが物理的な物を運ぶのと違う部分です。)すると、基本ソフトは部家の内装をしたり、仕事に必要な道具を設置したりして、部家を作業場に仕上げます。この仕事が終わると、コンピュータ(正確には基本ソフト)はユーザからの命令を待っている状態になります。そこで、ユーザからワードを使いたいという命令が来ると、倉庫からワードのコピーを取ってきて、作業場内にワードのためのスペースを確保し仕切を立てます。次にワードの文書を開こうとすると、今度は倉庫からその文書のコピーをワードの作業スペース内に持ってきます。このように、新しいアプリケーションを起動するということはそのたびに作業スペースを確保し、仕切を立てるということなのです。ですから、複数のアプリケーションを一時に使おうとすると作業スペースが足りなくなり、「RAMが足りない」状態が起こります。また、それぞれのアプリケーションが必要とする作業スペースもアプリケーションによって違います。広いスペースを要求するアプリケーションは「重い」と表現されたり、英語では「memory hog」(hogは豚のこと)と表現されたりします。従って、「RAMを拡張する」ということは作業スペース全体を広くするということです。

 ファイルを開けて、編集作業をしているということは倉庫から取り出したファイルのコピーの内容を変更していることになりますから、、作業途中では作業場と倉庫の間のファイルの内容にずれが生じます。ですから、作業場の内容を倉庫に持っていく(つまり、ファイルを保存する)ことで、このずれを解消します。不意の停電などで電源が切れてしまうと、作業場は突然ただの広い部家にもどってしまいますから、作業中のファイルも消えてしまいます。しかし、このような場合でも倉庫のファイルが壊れることはありません。ですから、頻繁に保存することが大切なのです。また、電源は入ったままなのですが、マウスが動かなくなるなどコンピュータが言うことをきかなくなることがあります。(「フリーズする」と呼びます。)これは作業場内の仕切がなんらかの理由で壊れてしまった時などに起こります。現在の基本ソフトはこのような事故を修理するようになっているので、大抵解決できますが、どうしても駄目なときは「リブート(reboot)」(電源を入れなおす)すれば解決されます。もちろんこの場合も作業場は一端ただの部家にもどってしまいますから、そこにあったファイルもなくなります。

RAMに関連して、DRAMやSDRAMといったRAMの種類を表す言葉や、DIMMやSIMMといったメモリーチップ自体の形状を表す言葉がありますが、RAMの拡張には特定のコンピュータのモデルにあったものを選ぶだけなので、ここでは違った種類のものがあると知っていれば十分です。

RAMに関しての受講生からの質問とその回答

受講生: 「RAMの増設=メモリーを増やす」と言い換えていいのでしょうか?
講師: はい、いいです。
受講生: 大きなアプリケーションをインストールする場合、RAMを増やす必要があると思います。
講師:意図はわかります。「大きなメモリーを必要とするアプリケーションをインストールする場合」と言った方が正確ですね。
受講生: 大きなアプリケーションとは、たとえばビデオ映像をコンピュータ内部で編集したり する場合でしょうか?
講師:はい、そうですね。ポスターのような画像処理、デジタルビデオ画像の編集、映画の編集、コンピュータグラフィックス、アニメーションなどは「メモリーを食う」アプリケーションですね。その意味では、ワードやエクセルはかわいいもんです。
受講生:いろいろなアプリケーションをコンピュー タ内に取り込んでいくとだんだんメモリーが不足するのですか?この点がよくわかりません。
講師:「コンピュータ内に取り込んでいく」の意味がちょっと不明です。「色々なアプリケーションを同時に走らせる必要がある時」にはメモリーが不足します。インストールするだけなら、ハードディスクは一杯になりますが、メモリー(RAM)が不足することはありません。

講師: というわけで、上の答えが原則的にはあっています。ところが、XPなどのオペレーティングシステムには仮想メモリーという機能があって、RAMが不足するとそれをハードディスクの一部を使って、あたかももっとRAMがあるかのような状態を自動的に作ってくれます。ですから、ユーザー側はRAMの不足に気が付きません。また、アプリケーションは正常に作動しますから、RAMを増やす必要もありません。ところが、ハード
ディスクは本当のRAM(つまり、チップですね。)に比べてデータのやり取りのスピードが格段に遅いです。従って、処理に多くの時間がかかってしまうというのが具体的な症状として、ユーザーには感じられるようになります。ですから、RAMを増やすかどうかはユーザーの仕事の内容、そして、頻度によるということになります。

チップという名前はどうしてメモリーに使われているのでしょうか。

受講生: RAMとチップというのは同じものを指すのですね。チップという名前はどうしてメモリーに使われているのでしょうか。
講師: チップはchipからきていて、「薄片」とか「小さくしたもの」いった意味が一番近いと思います。ポテトチップや木材のチップなども同じイメージですね。「さきっぽ」とか「先端」はtipですから、無関係ですね。集積回路は薄い板(シリコン)の上に乗せられるのでこういう呼び方になったんでしょう。また、集積回路が集まった足がたくさん出ている黒い四角いものもチップと呼ばれます。チップは メモリー(RAM)だけでなく、CPUをさす時にも使われます。

これはノートパソコンの背面部の一部を開けたところです。メモリーチップが見えています。そして、一か所空いている所にメモリーを増設することが出来ます。

いわゆるRAMです。黒い部品(RAMチップ)が片面に四つずつ、合わせて8つついています。64MBチップが八つついていると合計で512MB、128MBチップだと1024MB(=1GB)のRAMが増設できることになります。

 

 

追加説明

1 キャッシュ(Cache)って何ですか?

まずはじめに、このキャッシュはスペリングが「Cache」で、現金という意味のキャッシュ(cash)とは無関係です。ここでいうキャッシュ(Cache)というのは「コンピュータが直前した仕事を取り出しやすい場所に記憶しておいて、それを再利用する方法」と考えてください。私たちがコンピュータを使っているときに、コンピュータは色々な仕事を次から次へと行っています。その時に、直前にした仕事を別の所に記憶させておいて、すぐ使えるようにしておくと、同じことをやり直すより処理時間が短くてすむのです。そうすることで、仕事がより効率的に行えるようになります。

コンピュータ本体の話では、コンピュータの処理スピードは主にCPUのスピード(2GHzとか2.5 GHzなど)で決まりますが、Cache memoryというのを使うとより効率的に処理ができるようになるので、さらに速いCPUを使っているのと同じような効果が得られます。ですから、コンピュータ本体の説明の時には2 MB Cacheなどと書いてあるときがあります。

もう一つ、Cacheというのは方法だと書きましたから、もう一つ身近なを紹介します。皆さんがインターネットのサイトを色々見ている時に、「戻る」のボタンや少し前に見たページに戻ったりすることがありますね。その時に、ページがすぐ出てくる時があるはずです。これは、ブラウザ(IEなど)にCacheの設定があって、最近訪ねたページのイメージを暫定的にとってあるからなんです。ブラウザの初期設定にいくとCacheの大きさを変更することができます。前の例とはちがい、この場合、Cacheはハードディスク上で行われています。