ソフトウェア

 ソフトウェアは一般的に言うコンピュータプログラムとほぼ同義ですが、ハードウェアという言葉と対比すると分かりやすいので、以下のように考えてみましょう。
 コンピュータの世界では、コンピュータ本体、プリンタ、モニタ、スキャナなど実体があるものを総称してハードウェアと呼びます。英語のhardwareは大工さんや電気屋さんが使う各種道具のことを指します。釘やねじもhardwareで、それぞれのhardwareは特定の機能を持っています。例えば、金槌は釘を打つのがその機能で、基本的にはそれ以外のことはできません。アメリカ生まれの初期のコンピュータはhardwareでした。つまり、特定の仕事(例 国勢調査のデータ処理)をするためのコンピュータはその仕事しかできなかったのです。ですから、新しい仕事をするためには、別のコンピュータを作る必要があり、とても非効率的でした。この問題を解決するために、同じコンピュータでいろいろな仕事をさせることが出来ないかと考えた結果、一つの新しい手法が生まれました。この方法はコンピュータに行わせる仕事の手順を機械から独立した形で保存するというものでした。これがコンピュータをプログラムするという考え方になり、保存されたものをソフトウェアと呼ぶようになりました。こうすることでコンピュータをいちいち作り直さなくても、ソフトウェアを変えるだけで、同じ機械で色々違う仕事が出来るようになったのです。ですから、ソフトウェアには物理的な実体はありません。ハードウェアとソフトウェアの分離は、その後のコンピュータを飛躍的に進歩させる原動力になりました。
 現在のコンピュータはハードウェアとしては特定の機能を持っていないと言われます。それは、ソフトウェア次第で何でも出来てしまうからです。逆に言えば、ソフトウェアがないコンピュータは全く役に立たない代物なのです。ですから、Microsoft社のようなソフトの会社が大きな力を持てるのです。
 Windows、Macintosh OS、LINUX、UNIX、プログラミング言語(C++やJAVAなど)、絵を描くためのソフトウェア、写真を処理するためのプログラム、表計算をするプログラム、データベースを構築し管理するプログラム、文書を処理するプログラム、音声を処理するプログラム等々、様々な種類のソフトウェアが開発されています。